ヴィーガンとは、動物由来の食品を一切食べない完璧菜食主義のこと。
数年前から北米で流行りはじめ、今では様々なレストランやスーパーでヴィーガンメニューを見かけます。
芸能人やアスリートもヴィーガンになったりしていて、「ダイエットにいい」「健康食」などと謳われていることも。
ただ、いきなり動物性の食べ物を摂取しなくなると、栄養失調になったり、ホルモンバランスが崩れたりと、逆に健康に害を及ぼす可能性もあります。
有名人の方々がヴィーガンになってより健康でいれるのは、栄養学を学んだ or 栄養士さんのアドバイスを聞いているから。
栄養についての知識がないままヴィーガンに転向するのはかなりリスキーです。
2019年には、ヴィーガンのカップルが子供にヴィーガン食しか与えなかった結果、栄養失調に陥り亡くなってしまったという悲しいニュースも流れました。
ヴィーガンは流行っているし、それなりのメリットもありますが、体と相談しながら慎重に進めるのがとっても大事。
今回はヴィーガンになるメリット、デメリット、注意点についてお話します!
ヴィーガンって?ベジタリアンとは違うの?
ヴィーガンとは、動物性の食べ物を一切取り除いた食事の事。
イギリスのヴィーガン協会によって1944年に定義され、動物を搾取しない生き方として広まっています。
食事から動物性の物を除く事を「ダイエタリー・ヴィーガニズム」
身の回りの製品からも除く事を「エシカル・ヴィーガニズム」と呼んだり、
ヴィーガンにも様々な種類があるそうです。
ベジタリアンも「菜食主義」となり、動物性の食品を食べない生き方を指しますが、乳製品、卵、蜂蜜、ゼラチンなどはOKとする人も。
ヴィーガンは、そういった物を全てなくす「完全菜食主義」となります。
ヴィーガンのメリット
主なメリットとしては
減量につながる
ガン予防
生活習慣病のリスク低下
環境保護に貢献
などがあります。
・減量につながる
2015年に行われた調査ではヴィーガンの人の方が雑食の人に比べてBMI値(肥満度を表す指数)が低いという結果が出ています。
植物由来の食品はお肉よりもカロリーや脂質が少ないので、体重管理がしやすいというメリットがあります。
これはバランスの取れたヴィーガン食に従った場合の話で、植物由来の加工食品やジャンクフードばかり食べていたら減量にはなりません🙅♀️
・ガン予防
2017年に行われた調査によると、ヴィーガンの食事を続けた人はガンのリスクが15%下がったそうです。
ヴィーガン食はガンを防ぐ食物繊維、ビタミン、ファイトケミカル(植物性化学物質)が摂取できるからだと考えられています。
他にも、大腸ガンのリスクを低下させるマメ科野菜や、乳ガンと闘う大豆製品も豊富に取り入れられる傾向があります。
・生活習慣病のリスク低下
現代人が悩まされる生活習慣病。
肉や動物性食品はコレステロール値を上昇させる飽和脂肪が多く含まれ、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。
一方植物由来の食事は、心臓に良いとされる食物繊維がたくさん摂取できるのに加え、カロリーも低いので肥満のリスクも軽減。
・環境保護に貢献
ヴィーガンが注目されるようになったきっかけの1つが、環境へのメリット。
意外な繋がりですが、統計を見ると納得します。
・節水:国連食糧農業機関(FAO)によると、世界で使われる水のうち、約93%が動物性食品の生産にあてられています。
・森林保護:家畜の飼育や農家の拡張は森林破壊の大きな原因。植物由来の食品を生産する事で、よりサスティナブルな食品生産に繋がります。
・絶滅危惧種保護:森林破壊で住処をなくした動物は絶滅の危機にさらされています。森林を保護する事により、これ以上動物が犠牲になるのを防げます。
・温室効果ガス軽減:動物性食品の生産は世界で排出される温室効果ガスの14%以上を占めています。植物由来の食品はその半分で生産できるという調査も。
・省エネ:家畜は給餌、繁殖、処理など、食品になるまで様々な工程で電力が使われています。一方、植物由来の食品はその1/8の電力ですむそう。
・水の浄化:農家によっては化学物質や排泄物を海/川に捨てるため、水質汚染が起こっています。植物由来の食品でも肥料が使われるため、汚染は完全に取り除けませんが、排泄物、抗生物質、ホルモンなどの流出は防げます。
ヴィーガンの注意点
メリットだけ並べると、ヴィーガンは健康にも環境にもいいミラクルな食事方に聞こえますが、留意しなければいけない点がいくつかあります。
・栄養不足
・消化に時間がかかる
・外食しにくい
・栄養不足
ヴィーガンに挑戦するにあたり、一番気をつけなければならないのが栄養不足。
野菜だけでは必要な栄養素は補えないので、豆やナッツ類などもバランスよく食べる事が大事です。
特に不足に気をつけたい栄養素と食べ物の例:
・タンパク質
大豆製品、レンズ豆、ひよこ豆、ピーナッツ、アーモンド、キヌア、ヘンプシード、ケール、ブロッコリー
・鉄分
大豆製品、レンズ豆、アマランス、オートミール、ダークチョコレート、じゃがいも、ほうれん草
・ビタミンB12
ニュートリショナルイースト、のり、しいたけ
・カルシウム
大豆製品、チアシード、アーモンド、ケール、ブロッコリー、さつまいも
・オメガ3
のり、わかめ、チアシード、ヘンプシード、フラックスシード、インゲン豆、枝豆、くるみ
・亜鉛
豆、ニュートリショナルイースト、ナッツ類、オートミール
・ヨウ素
クレソン、ケール、いちご、ケール、わかめ
栄養素によっては食べ物から十分な量を摂取できないので、サプリメントで補わなければいけない場合も。
・消化に時間がかかる
豆類など植物性の食べ物からタンパク質を摂取する際、最初は膨満感や便秘などの症状がでるかもしれません。
体が食べ物に慣れていくうちに症状は和らいでいきますが、慣れないうちは不快に感じる人も多いそうです。
・外食しにくい
最近はレストランでもヴィーガンのメニューを用意しているところが増えてきましたが、世間一般にしたらまだまだマイナーな食事です。
食べに行きたいと思ったレストランがヴィーガン対応しているとも限らないので、外食の幅が狭まってしまうのもヴィーガンの難点。
「友達とご飯に行きたいけど、相手はヴィーガンじゃない」「レストランに連れてきてもらったけど、食べられる物がない」など、交友関係にも影響があるかもしれません。
さて、長くなりましたがヴィーガンになるメリットと注意点をご紹介しました!
完全菜食主義は、正しく行えば体にも環境にもメリットがある食事法。
しかし、流行っているからといって、見様見真似で始めるのはおすすめできません。
わたしは100%ヴィーガンではありませんが、野菜中心の食事を心がけて、たまに1日まるっとヴィーガン食だけにしたり、と生活スタイルに合うように取り入れています。
ヴィーガンについてもっと知りたいという方は栄養学の本がおすすめです。
一番大事なのは、自分のライフスタイル&体と相談しながらゆっくり行い、不調が出たら栄養士さんなど専門家に診てもらう事。
健康に気をつけながら自分に合う食事法を見つけてくださいね。
Mahalo~